2009 第58回『残響』―冤罪と裁判員―


あるアパートの一室で、会社員石垣章介(35)が灰皿で頭を殴られて殺害された。隣人の証言から犯行時刻は午後8時と判明したが、肝心の目撃者は見つかっていない。

 

事件から10日後、警察は、石垣の友人である北見豊(35)を逮捕した。凶器の灰皿に付いていた指紋が北見のものと一致し、石垣に300万円の借金があったことから、北見が犯人に違いないと誰もが思っていた。

 

北見は裁判で、事件当日に石垣の部屋にいたことは認めたものの、事件の10分前、つまり7時50分には映画館に行くため現場を離れたと主張した。しかし、映画のチケットの半券など北見の主張を裏付ける証拠は一つもない。はたして北見の言うことは事実なのだろうか。

 

裁判に参加した裁判員は、それぞれ迷いながら結論を出す。石垣の両親は、息子を殺した北見を処罰してほしいと願う。そして、北見の妻由紀恵は、夫の無実を信じ判決の行方を見守る。

 

裁判長の声が法廷に響く。「それでは、判決を言い渡します――。」

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