演出 千葉大輝、焼家大洋

先輩体験談第5弾は、入会後の新入生(キャスト)の演技指導を担当し、舞台監督などとともに裁判劇の総合プロデュースを担当する”演出”のインタビューです。

今回は特別編として、お二人の対談方式でお届けします!!

 

※この体験談インタビューは、オンライン上で文書のやり取りによって行ったものであり、感染症対策の観点から実際に対面での座談会などは行っておりません。

千葉大輝さん

焼家大洋さん


 

 

―――では、まずお二人の自己紹介からお願いします。

 

千葉(以下 千) 宮城県仙台育英学園高等学校出身、模擬裁判実行委員会第69代演出の千葉大輝(ちばたいき)です。

 

焼家(以下 焼) 同じく演出の焼家大洋(やきやともひろ)です。広島県修道高等学校出身です。

 

 

 

―――千葉さんの母校である仙台育英高校からは、毎年多くの学生さんが当委員会の公演を見に来てくださってます。

一方、焼家さんは広島出身でしたね…私も初めて会ったときは正直驚きました笑。ただ東北大学は旧帝国大学の中でも、地元出身者が比較的少ない大学と言われており、実際関西出身者は結構多いですよね。

さて、話しを戻して、まず千葉さん、お二人が務める”演出”とは、どんな役職なんですか?

 

千 一言で言えばキャストの演技指導を統括する役職です。一年生は最初の一年目はキャストをやってもらうことになるので、一年生のみんなに演技を一から指導します。もちろん指導は私1人ではなくて、私と焼家の2人の演出と6人の演出補助(通称助演)で行います。

 

焼 演出と助演が一番一年生と接する機会が多い役職だよね。

 

 

 

―――1年生の演技指導を担当するということは当然、前期は週2日、夏休みから公演までは週6日、付きっ切りで練習に参加するということですよね。

言い方は悪いですが、就職活動や公務員試験の準備などが始まる3年生という時期に、他役職に比べ時間的拘束がある演出という役職を選ぶほどの「もぎさい愛」に溢れているお二人、新歓期に数ある自主ゼミからもぎさいを選んだきっかけなど、教えていただけますか?

 

千 かなり特殊な例になるけど、実は大学に入る前から東北大のもぎさいに興味がありました。もぎさいという団体を知った年から4年間連続で公演を観に行っていました。もぎさいオタクです。5年目はどうしたのかというと、自分が舞台に立ちました。6年目は演出補助としてキャストの演技指導に参加しました。そして今年がもぎさいを知って7年目です。

 

ーーー確かに珍しい例かもしれません笑。さすが、二代上の演出の方から「そのもぎさい愛は本物」と評されることはあります。

焼家さんはいかがですか?

 

焼 中学、高校の6年間をサッカー部で過ごしていたので、大学では運動系ではない団体で新しいことを始めたいと思っていました。そんなときに法学部には自主ゼミという団体があることを知り、その中でも法学部なのに演劇をやっているのを新歓期に見てこれは面白そうだなと感じたのがきっかけでした。後は先輩たちが面白くその人たちとのカラオケが楽しくて模擬裁判実行委員会に入ろうと決めました。

 

―――なるほど。もぎさいは数ある自主ゼミの中でも規模が大きく、色々な人が属していますから、その「人」に惹かれて入会を決める人も多いですね。

 

 

ーーーでは、実際入ってみて、特によかったことは何ですか?

 

焼 学年全体が一丸となって公演に取り組むことで本番が終わった頃には強い結束力が育まれることです。特にキャストを行う時期は台本を覚えたり、人前で演技をすると言ったほとんどの人にとって初めてと思われる演劇への苦労や演劇が終わったときの大きな達成感を共有することで部活に関係なく深いつながりを持つことが出来ます。僕も松島への牡蠣旅行や温泉へ行ったりと模擬裁判で出来た仲間達と学生生活を存分に楽しんでいます笑。

 

千 確かに、もぎさいのメンバーは仲いいよね。練習で培った団結力は伊達じゃなく、テストのときなんかも互いに質問を出し合ったりして共に対策を勧めたりしています。

 

―――なるほど。私は大学の友人は所属団体、サークルをきっかけに作るタイプだったので、練習時間外や公演後ももぎさいの仲間が仲良くしてくれるのは嬉しかったですね。また大学の試験は「情報戦」みたいな要素が少なからずありますから、同学部の友人が多いのは確かに有利ではあります。

 

焼 あとは、学年が上がるにつれて運営に大きく関わっていくことになります。具体的には民間企業や市役所、県庁などから広告や協賛を得るために交渉します。それは実際に社会人になってからの営業とほぼ同じことなので、それを一足先に経験出来ることも良い点だと思います。

 

―――私も2年時、3年時と広報→外務を務めてきていますが、アポイントの取り方、メールの書き方など、日々学ぶことがたくさんあります。友人やスキルなど、活動を通して得られるものが非常に多い団体ですよね。

ちなみに…いいことばかり書くのも法学部生としてフェアじゃない気がするので、大変だったことも教えてもらえますか…?

 

千 おそらく他の委員も言ってると思いますが、練習は楽ではありませんでした。本気で取り組んだからこそ正直大変ではあったし、自分の成長の遅さに焦ったりもしました。

 

焼 僕も練習期間は毎日悩むことばかりだったな…

 

千 でもそれを補って余りある良いことがあります。キャストには本気で練習に臨んだが故の達成感が待っています。本気で取り組んだ者だけが味わえる感動があります。あの日観客から送られた拍手の雨を私は一生忘れません。

 

―――ありがとうございます。

 

 

―――千葉さんと焼家さんはお二人とも2年時に演出補助、3年時に演出と、キャスト卒業後も一貫して演技に関わる途を歩んでいますね。

そんなお二人だからこそ、”演劇そのもの”に対する思い入れは、現役委員の中でも特に高いと思うのですが。自分のキャスト時代の経験の中で、特に印象深いことについて話してもらえますか?

 

焼 僕が演じた役の人物像が、演技を指導する人、シナリオを制作した人、そして自分とで異なっていたために何を指針にして演技をしていけば良いのか公演の1週間前まで悩み続けました。でも当時の演出の人にその役は君のだから最後は自分のやりたいようにやって良いしそれをサポートすると言われ、そのおかげで公演当日には自分のなかで納得のいく演技ができ最高の達成感を味わうことが出来ました。自分が演出になろうと思ったのもそういった経験があったからだと思っています。

 

千 数え上げればきりがないのですが、あえてひとつ挙げるとすれば、最終弁論の練習は特に力を入れて行いました。最終弁論というワードから察せられるとおり、私はキャスト時代、弁護士の役を演じました。弁護士にとって最終弁論は唯一のソロシーンであり、最大の見せ場になります。実は日本の裁判での最終弁論はドラマ等で観るほど劇的ではありません。しかしもぎさいの公演では、最終弁論は実際の実務より劇的に魅せる演出を行うことが多いです。そのため何度も繰り返し読み上げ、何度も修正を繰り返し、多くの先輩の意見を取り入れて完成させたことをよく覚えています。そうして完成させた最終弁論を、ピンスポットを浴びながら他の音の鳴らない萩ホールで述べたときの感動も良い思い出です。

 

 

―――では最後に、これから大学生活をスタートさせる新入生に向けて、メッセージをお願いします。

 

 

焼 模擬裁では今までに味わったことのない経験と大学生活を共にする仲間に巡り会えると思います。公演の約1ヶ月前から新入生にとって忙しく大変な日々になると思いますが、その1ヶ月には楽しいイベントも盛りだくさんです。3年のなかでは演出が新入生と、今年度1番関わっていくことになると思います。みなさんと一緒に裁判劇をつくっていくのを楽しみに待ってます。

 

 

 

千 一ヶ月半練習漬けの日々を乗り越えて舞台に立つときの高揚感、共に苦労を分かち合った仲間たちとシーンを作り上げるときの一体感、劇が終わって再び舞台に出る際に止まない拍手の雨を浴びるときの達成感、それらを覚える瞬間に全ては報われます。

これほどの感動を覚える経験は人生でもそう多くはないでしょう。私の演出としての最も大きな目標のひとつはキャストとして頑張ってくれる一年生のみんなにこうした感動をプレゼントすることです。

演劇の経験がなくても問題ありません。ほとんどの委員は入会時はそうでしたし、私も2年前まではそうでした。必要なのは共に公演を成功させようという情熱だけです。自分じゃない人間を演じるなんて恥ずかしそうとか、声が小さいから不安とか、たったそれだけであれほどの感動を得る機会を逃してしまうのは惜しい。少しでも興味を持ってくれたならぜひ入ってしまいましょう。その後は私たち指導陣が舞台に立てるようにアシストします。こんなに長い文章を最後まで読んでくれてありがとう。君の入会を待っています。

 

―――お二人ともありがとうございました!

 

 

先輩体験談もいよいよ明日が最終回。

次回はついに、もぎさいを語る上で欠かせない"あの人"の登場です。ご期待ください!!

 

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